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May 15, 2004

東京B級グルメガイド#35「キッチン仔熊」

キッチン仔熊 文京区後楽2-10-12 3813-8741

 個人的には日替わり定食の王者。しかし王者というような代名詞は似合わない良心的な街の洋食屋さんだ。飯田橋駅前の大きな立体交差を渡って、クネクネした道を通り、さらに自転車しか入れないような道を進むと、ランチ時に行列ができている店があるハズだ。そこがキッチン仔熊。ここも地元の企業に勤めている人に連れていってもらった。つか、よそ者には、その在り処すらわからないと思う。

 後楽のあたりは、新大久保と並んで、バブルの後の再開発が進んでいない地域となっている。キッチン仔熊のある場所から地下鉄丸の内線の後楽園まで歩いてみれば、建物を壊した後に更地にもできないで、そのまま駐車場にしたような土地が続いている。まるで空爆でもされたような感じの土地だ。でも、仔熊のある周辺は、非常にインチメイトな空間を保っている。つか、昼間からネコが昼寝できるような路地裏に囲まれている。道幅が幅5メートルに満たないから、バブル前までは再開発ができなかっただろうし、バブル時には再開発などされてたまるかみたいな感じで頑張れたんじゃないだろうかと愚考する。とにかく、自動車なんかは入れないから、ネコも昼寝ができるわけで、そういったところは実は人間も棲みやすかったりする。

 そうした場所で営業を続けている「キッチン仔熊」は、しっかりと地元に密着している。狭い路地を自転車で走る出前のおっちゃんを何度も見たりする。土曜日も営業しているしね。
kichen_koguma.jpg

 でも、単に馴れ合って密着しているだけではない。栄養のある、しかもボリューム豊かなランチを提供することによって、おそらく半径500メートルぐらいにあるオフィスで働くホワイトカラーの人間なんかも集めまくっている。

 昼時のお勧めメニューはイートイン向けが「日替りランチ」730円、トゥー・ゴー向けが「持ち帰り弁当」560円。

 店内に入ったから、姉さんかぶりの店員さんから「ランチ?」と念を押すように聞かれるので、たいがいの客は「ハイ」と応えるしかない。だから、店員さんがキッチンに向かって「ご新規さまランチひとつ」と叫ぶのを聞きにくることも含めての味わいであると観ずるというのが、正しい「キッチン仔熊」ファンの姿勢というものだろう。冬場なら、1000円のカキフライもあるけど、その他の季節は730円也の「日替りランチ」しかない。

 狭い店内は4人掛けのテーブルが4つと8人掛けが1つという配置。満員でも24人というスペースだが、いつ見ても「6回転して150人は堅いな」と思わせる盛況ぶりだ。そんなくだらないことを考えているうちに、素早くできあがってくるのが嬉しい限り。日替りは、大皿にフライか空揚げかソテーされた肉がメインで、これを真ん中に和洋中とりまぜての2品が配置され、キャベツの千切りとマカロニサラダが添えられているというパターン。これに大盛りのご飯とお味噌汁(けっこう気合が入ってる)が付いて、何回も書くけど730円。

 テーブルにはシソのふりかけやゴマ塩が置かれていて自由に使える。実はこのシソのふりかけが「んまい」。「日替りランチ」のおかずが食べたいのか、それとも、このシソのふりかけが食べたいのか、わからなくなるときがあるぐらい。安い店なので夜にもったけど「スパゲティーハンブルグ」とかも十分美味い。

 とにかく、ひとことでいって「愛すべき店」。ずっと、この土地で営業を続けてほしい。
kichen_koguma2.jpg

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Comments

キッチン小熊の写真、拝見する機会を作ってくださり、ありがとうございます。
都内をカメラ散歩する趣味を持った50歳過ぎの者ですので、興味深く見させていただきました。
そして、私は、この近くに小学5年、6年の2年間、昭和でいえば42年、43年、頃になりますか、
住んだ者であり、かつ、かすかな記憶では、キッチン小熊の先代の子供さんと小学校の同級生であった者です。
私は以降後楽の地を離れて過ごしたので、キッチン小熊の店を誰が継いだのか、同級生が仕事をしていたのか、
わかりません。ですが、懐かしい写真を提供してくださったことに感謝しております。

なお、このキッチン小熊の立地が昔からの場所なのか、違う場所に昭和の昔はあったのか、それも記憶のかなたです。
この写真のキッチン小熊も現在は再開発の波に呑み込まれて、移転等になっていることと思います。

なお、この界隈、私と両親が間借りしていた借家の隣りの棟の静かな住人は、きっとみなさんも知っている今は亡き某浅草芸人さんでした。

Posted by: wakashima | June 03, 2008 at 12:31 PM

wakashimaさま、はじめまして!ご丁寧なコメントをいただきまして恐縮です!
キッチン仔熊は味もボリュームも大満足させてくれる大好きなお店でしたが、2年前に行った時には、周りが完全に地上げされていて、仔熊も閉店していました。
小生は渋谷で生まれ育ちましたが、同じように懐かしいお店の7~8割は消えてなくなっています。大部分は移転しているのですが、個人商店の場合、ビルを建てて頑張っても、元の商売は止めてしまっていたりして、寂しい限りです。ある人が戦争でもないのに、高度成長期以降の東京ほどコミュニティが破戒された都市はない、と書いていましたが、本当にそう思いますね。
「ゆかり」がいつもテーブルに置かれていて、ご飯にふりかけていただくのが好きでした…

Posted by: pata | June 03, 2008 at 03:48 PM

お店はなくなりましたが弁当屋として営業中ですよ。新しく出来た道路の向こう側、タバコの自販機が目印です。そこにうちの嫁さんが仔熊弁当を売ってます。よろしくお願いします。

Posted by: 子グマファミリー | July 10, 2008 at 09:05 PM

子グマファミリーさん!なんと嬉しい!
近くいってきます!
地元の人間ではないんで、できましたら目印となる場所の住所もチラッと教えてください!

Posted by: pata | July 10, 2008 at 11:22 PM

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