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April 03, 2004

浅すぎるジーコ批判

ジーコ批判がかまびすしい。人心囂然という感じもする。そんな中、正直、偉そうだとは思うが「わかっちゃいないな」と思う。スポーツ新聞の記者は自分をよくそこまで貶めることができるもんだと思うような中身のない記事を書けているし、インターネット上の自称サッカーサポのご託宣も的外れなものが多いと思う。インターネットの掲示板には前に書いたことあるけど、バルセロナ・オリンピックの予選で中国、韓国、カタールに3連敗したのは1991年だったということを、98%の代表サポは知らないと思う。そんなのが、偉そうにジーコ辞めろとかいうのは勘弁してほしい、と。

そんな中、ふとブラジルのソクラテスの試合評(正確には聞き語り)が98年フランス大会のときにレキップ紙に載ってたのを思い出した。

 その連載は"Socrates, Medecin du Jeu", L'EQUIPE.FR。

 「スポーツの医学」というのは医者になった彼らしい、素晴らしいタイトルだと思うが、その中で、ソクラテスはクリエティブさということで印象に残った選手として「中田、日本人だよ。彼なら、どんなブラジルチームでもやっていけるだろう」と語っていた。

 また、サッカーにおけるクリエティブさについて「30年前のことだけど、誰もが、中盤のクリエーターとしてプレーする事を望んだ。どのチームにも10人や20人の10番がいた。彼らは皆テクニックに優れていたが、ウインガーやセンターフォワードに転向させられ、両サイドバックやリベロにもまわされた。その結果、ブラジルチームは、あらゆるポジションに、どんな状況でもボールをキープできる能力とテクニックを持った選手を揃えることになった。それは、ゲームに息吹を与えることができたということ」と語っていた。

 また、彼は若い時期にプロになる今のヨーロッパスタイルを「本能が失われる」と批判。技術的に後退するとまでいっている(『アッカ!!』新潮社、1998、pp.78-79から抜粋)。

ソクラテスのこの発言を改めて読むつけ、もしかしたらブラジル人は本当に日本代表を82年のミニチームにしようと思ってくれているんじゃないかと感る。どこといって特徴はないけど、みんな10番みたいな選手が集まった日本代表。それはスケール感には乏しいかもしれないが、どこか82年のセレソン・ブラジレイラの香りがしないわけではない。肝心の選手たちが自信がないというか、自分で壁をつくっちゃっているけど、彼らブラジル人には見えていて、ぼくら日本人には見えない可能性があるんじゃないと思う。

 野球の話で恐縮だけど、オリンピック本選でヨーロッパのチームとか出てくると、確かに速い球投げるピッチャーがいたり、すごい体格のバッターがいたりするんだけど、妙に「わかっちゃいないな」というプレーをすることがある。たとえば、ランナー1塁の時に3塁前にバントしてみたり(一塁側だろ!フツーみたいな)、ランナー2塁のときの牽制球が投げられなかったり、逆に2塁で牽制で刺されたり。

 これは、草野球レベルでも日本では怒られるプレーなんだけど、そういうのを見ると「わかっちゃいないんだな」と思う。と、同時に、日本のサッカーを見ているごく普通のヨーロッパや南米のファンも「わかっちゃいないんだよな」というところがあると思う。それはとても小さな部分だけど、そうしたディテールがクオリティをつくっていくんじゃないか、と。

 で、何がいいたいのかというと、ソクラステやジーコが見ているもの(可能性)を、ぼくらは見ていないのかもしれないということ。ぜひ、そこらへんは言語化してもらいたいとは思うけど、サッカーは言語化できない部分がまだまだあるからな、とも思う。

 とにかく、ぼくはジーコを信じているし、まだ本格的なジーコ批判というのはお目にかかったことがないから、達観もしている。

 1試合でもいいから、完璧にディテールを分析し、采配の問題点、起用法の問題点なりを誰か書いてほしいと思う。

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Comments

先日、うお●●でご同席したものです。
(両テーブルのスキマに居たものです、ご記憶かどうかわかりませんが…)

「かますびしい」ではなく「かまびすしい」ではないかしら。

しかしプロフェッショナル相手なので全く自信がありません。
「あらたしい」と「あたらしい」みたいに両方あるのかな…。

バントの例え話は説得力ありますね。

神保町はランチで行ける範囲なのでグルメガイドを楽しみにしていますよ。

Posted by: calyx | April 05, 2004 at 11:22 PM

どーも、先日は。いやー、ご指摘のとおり、かまびすしいですよね。だいたい、酔って書いていますので、テニオハとかもめちゃくちゃで、よーく、ごらんになっていただくと、後でいっぱい直したりしています。掲示判と違って、自分で書いたのはちゃっかり自分で直せるのがいいかな、と。

Posted by: まつ | April 06, 2004 at 01:11 AM

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いろいろなblogを見ていると様々な意見が見れる。最近ようやくジーコを擁護する blogを見つけて読んで見た。「とにかく、ぼくはジーコを信じているし、まだ本格... [Read More]

Tracked on April 09, 2004 at 08:51 AM

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