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April 12, 2004

東京B級グルメガイド#8「中華三原」

中華三原 中央区銀座5-9-5 3571-4359 
タンメン日本一。もしかしてラーメン系の食べ物日本一。ということは、麺類太陽系ナンバーワン。それが中華三原(みはら)のタンメンだ。よく、一番上等の味は、薄味だけれども輪郭はしっかりしていて揺るぎないもの、みたいな言い方がされるが、ここのスープはまさにそれ。最初に一口すすった時から、最後の一滴を飲み干すまで、ほとんど印象が変わらず旨い。時々、最初は物足りないけれど、後になってだんだん美味しくなるというスープに遭うことはあるが、この中華三原の味は、最初から最後まで変わらないという意味では、もっとも繊細かつ強固な構造をもつ。

 銀座5丁目のもう少しで歌舞伎座という交差点の手前を右にまがると、なぜか時空間がゆがみ、昭和30年代にタイムスリップしたような三原小路という横丁があらわれる。実は歌舞伎町近くの交差点も三原町交差点というのだが、それはさておき、路地の風情だけでなく、つくりも戦後まもない頃のバーを改造したような構え。銀座にあって、まだ冷暖房なしでやっているのは、おそらくこの店だけだと思う。しかも、ラーメンは400円、タンメンも600円という驚きの安さ(銀座ナインにも「三吉」という自家製面の安い店はあるけど)。絶対に雑誌やテレビの取材を受けないことをポリシーにしている店だが、いついっても長蛇の列を誇っている。少しくたびれた感じのサラリーマンや近くのビルのお掃除オバちゃんなどが目立つのもいい感じ。
chuka_mihara.jpg

 ここのタンメンのどんぶりは、直径こそ大きくないが、深い。そのどんぶりからこぼれんばかりの野菜が乗っている。タンメンの命は野菜。とくにキャベツで評価が決まる。中華三原のタンメンのキャベツはなんとも歯ごたえが残りつつ甘い味がする。特に芯の近くがパリッとしていて旨い。やや透明感が出かかったような薄い翡翠みたいな色も美しい。

麺は黄色い中細のストレート麺。深いどんぶりなので、最後に食べ終わる頃のことを考えて、常連客はほとんど「メンカタ」と注文する。もし行くことがあったら「麺固めね」と申し添えよう。こうした常連客が毎日でも食べられるよえに味付は少し薄めにしているというのだが、何回も書くように奥が深い味だ。大きな中華なべの歴史そのものから染み出てくるような野菜の旨味が感じられるというか。そうそう、ごま油の香りもGood。

 何回も書くけど、深いどんぶりなので、なかなか麺も具もなかなか減らない。よって食べるのに時間がかかるので列も長くなるのだろうかなんていうつまんないことが頭をフトよぎる。記憶の中の食べ物はいつも一番美味しいが、ここのタンメンは子供の頃に食べたタンメンといい勝負している。なつかしい食べ物は自己同一性を確認するという意味もあるのかな、などということも考えてしまう。とにかく熱々で量も多いので食べ終わるまで、つまんないことがいろいろ頭ん中をかけめぐる。そしてお腹だけでなく、ほかの部分も満たされていく。それが中華三原のタンメン体験だ。

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