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March 18, 2004

『人はなぜ酒を飲むのか』

『人はなぜ酒を飲むのか―精神科医の酒飲み診断』中村希明、朝日文庫
アルコール中毒といいますか、アルコール依存症に関しては、かなーり、自分でも心配している部分がありまして、職場からも近いということで斉藤学先生の病院の電話番号はいつもバックに入れてありますし、アル中関係の本を定期的に読むようにして、恐怖心を持たせるように自分にしむけたりしています。

この本は六本木ABCの文庫本の特集コーナーで見つけたもの。バブル期に書かれたもので、それに言及してサラリーマンのストレスを論じている部分などは時代を感じさせるけど(つか、もうバブル期って、オウムと阪神大震災、それに9.11の後では個人的には神話的なイメージになりつつある)、これほど病理学的にアル中の恐ろしさを描いた本も珍しい。

著者は精神分析医なので、内科的な所見については「エイヤッ」で書ける部分もあるのだろうけど、素人にはそれがありがたい(つか、怖さを知ることが目的だし)。

「ついには軟らかかった肝臓は収縮してコチコチになり、血液さえ通さぬ瘢痕と化した『肝硬変』になるのである」(p.81)という描写は怖い。直感的に分からせてくれる。学がないからかもしれないが、肝硬変が「血液さえ通さぬ」ようになるとは知らなかった。

「糖尿病が恐ろしいのは、全身のあらゆる血管がつまりやすくなるからだ。心臓の血管がつまれば心筋梗塞、脳の血管がつまれば先ごろ亡くなった闇将軍のように脳梗塞、眼底の血管がつまれば網膜変性症、腎臓の毛細血管がつまれば透析を受けなければならなくなるなど、恐ろしい合併症の数々を起こすからだ」(p.85)。うー、やだやだ。

それと、これも初めて知ったのだが、ジョンズ・ホプキンス大学のアル中自己診断テスト(pp.110-111)。日本でアル中テストというと国立久里浜病院が開発したKISTAというのがあって、2点以上は重篤問題飲酒者と採点されるのだが、行きつけの店で飲んでる人にやってもらうと、7点8点は当たり前で、自分のように10点を超える者も珍しくなかった。ここまでくると逆にテスト自体がおかしいんじゃないの?と思う。

その点、ジョンズ・ホプキンスのテストは納得的なもので、それによるとあたしは問題ない、ということだった。筆者は「精神的な不適応から酒に逃避するタイプのアルコール依存症によくあてはまる」とか書いているけど、KISTAは異常だと思う。

ちょっとした酒呑みでも重篤に分類してしまうようなテストは、かえって、高得点を祝って乾杯するような人種を生んでいるんでのではないだろうか、なんつって。

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