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March 30, 2004

『「日本」とは何か 日本の歴史00』

『「日本」とは何か 日本の歴史00』網野善彦、講談社

 今年2月27日にお亡くなりになった日本史、特に中世史に大きな転換をもたらした網野善彦さんの"白鳥の歌"のような本はこれだろう。

 都立高校の教諭から神奈川短大、神奈川大学教授というキャリアは、史学の世界はよくはわからないが保守本流からは遠い流れだと思う。しかし、1986年の『異形の王権』以来、特に図像学というかイコロジーを武器に、今となってはありがちな主張とも受けとれかねない聖と俗が反転する歴史観は新鮮だった。3巻にするにしては中と下が面白くなかった岩波新書『日本社会の歴史』では、天皇制を相対化する視座を、天武以前の大王(おおきみ)並立に求める方法は、これ以降、概論的な著作が多くなるという、おそらくなりたくてなったであろう学者さんとしては、本望とは思えないような方向へと導くことになったのではないかと思う。
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 一般的に「網野史学」といえば、農業より漁業、流通業を生業としていた人々にスポットをあて、それらを担っていた猟師、女性たちなどの役割を強調する、みたいなことが中心ではないかと思うが、実は、歴史のプロを目指してはいない読者にとって、もっとも面白いのは、西日本域内(弥生)の権力闘争としての7世紀における天皇制の成立、東北地方の併合がままならない中での鎌倉幕府の成立による東日本(縄文)の権力奪取みたいな図式が、見え隠れしていたあたりだ。

 ということで、明日以降、この本について、書くことにする。

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